MtGアリーナにおける初手内の土地比率について(2)
前回の続きで,MtGアリーナにおける初手の土地比率を調べてみた.
今回は計算が多くなるので,割合を示す数字や計算結果を示す画像が多く表示されます.ご了承ください.
TCGにおける初期手札の確率計算(基本)
これについては別ページで記述したため割愛します.
詳しくは以下のページをご参照ください.
MtGにおける初期手札内の土地比率
上記(別ページ)の式から,「デッキ中に何枚土地を入れたら,どの程度の確率で初期手札に何枚土地が来るのか」を計算してみることにしました.
まずは61枚デッキ中,24枚が土地の場合.
およそ30.64%の確率で初期手札に土地が3枚,27.58%の確率で初期手札に土地が2枚来る計算となります.
次いで,61枚デッキ中,22枚が土地の場合. 割合は微妙に逆転し,およそ29.03%の確率で初期手札に土地が3枚,30.49%の確率で初期手札に土地が2枚来る計算となります.
MtGアリーナにおける初期手札内の土地比率
さて, http://mtgwiki.com/wiki/土地事故 によれば,アリーナの初期手札は以下のように操作がなされているようです.
Magic: The Gathering Arenaの1本先取試合では、土地事故が起こりにくくなるよう意図的な操作が行われている。
その内容は、7枚の初手を2つ作り「デッキ内の土地比率に近い方を選ぶ」というもの。
私のデッキの場合,7枚の初手を2つ作ったときの組み合わせの発生確率は下記のようになります.
24/61枚が土地の場合.
22/61枚が土地の場合.
ここに,「7枚の初手を2つ作り「デッキ内の土地比率に近い方を選ぶ」」というアリーナの調整を加えると,以下のようになります.
24/61枚が土地の場合,初手に土地が3枚ある確率は51.89%,2枚ある確率は30.65%.
手札に土地が2枚か3枚である確率は,58.22%から82.54%へ.
22/61枚が土地の場合,初手に土地が3枚ある確率は49.64%,2枚ある確率は33.98%. 手札に土地が2枚か3枚である確率は,59.52%から83.61%へ.
これらから見ると,
- 元の状態の初手に比べてかなり尖った初期手札になっていること.
- 初手に土地が0・6・7のような極端な大事故はまず起きない.
- 初期手札に土地1枚は「まれに起こる」レベルの確率にまで調整されていること.
- 加えて,初期手札に土地5枚という状況も極めて発生しづらくなっていること.
がわかると思います.
ここまで調整が加わっているのなら,初期手札に土地が2~3枚というパターンが非常に多く見られることも納得です.
また,先の記事で書いた
前者の土地22枚デッキは初手に土地が2枚から3枚,後者の土地24枚デッキは初手に土地3枚が集まる傾向が強いように感じられました.
という2つのデッキ間の差異は,
という結果なのかもしれません.
数字上は高々数パーセントの差ですが,それが正しく反映されているうえに試行回数(対戦回数)が多くなれば,その差も無視できないものとなってくるのではないでしょうか.
付記
なお付記すると,
- 24/61枚が土地の場合はデッキ内の土地比率は39.34%,
- 22/61枚が土地の場合はデッキ内の土地比率は36.07%
上記の通りいずれの場合であっても,7枚の初手2つを作ったとき,初期手札内の土地が3枚であれば,それが最も優先して選ばれることとなります*2.
これらを経ての総まとめを次回示します.